箸はともかく棒にはひっかかりたい

とあるPh.D.studentによるメモ書き

IMOG2017に参加してきました

 

どうも〜。ざわです。

あっ!という間に10月になってしまいましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

私は9月の中-下旬にかけて、9日間ほど、イタリアはフィレンツェに行ってきました。もちろん旅行でも休暇でもなく、IMOGという学会に参加するためでした。

 

f:id:tkzwy:20170928195101j:plain
発表会場(外観)。趣がありすぎる

この学会は、有機地球化学分野のメッカ的存在なのですが、運良く口頭発表の命を仰せつかったので、僭越ながら発表して参りました。。

緊張しすぎて、発表日までの間に起こった出来事はほとんど覚えていないのですが、せっかくなので、発表をするまで、した後を通して、また他の参加者の発表を聞いて、学んだこと・大切そうなことをまとめておこうと思います:

 

 

*****

学んだこと・大切そうなこと

1. 良いプレゼンをする研究者は、研究のビジョンが明確。そしてそれを伝える力がある。

f:id:tkzwy:20170928195422j:plain
口頭発表会場は、ここでした・・・緊張した・・・

特定の分野の研究者が集まるワークショップ等は別ですが、一般的な学会発表においては、発表者には、多くの聴衆が、問題点や課題(の重要性)を共有でき、なおかつ研究の論点までの道筋を理解できるプレゼンが要求されると思います。

そのようなプレゼンをするためには、まず、発表者本人が、より広い視野を持って、多面的な視点から、当該分野の研究を体系的に俯瞰し、過去・現在・未来を理解する(ビジョンを見据える)力が不可欠であると感じました。そして、それを発表中のストーリーに落とし込み、自分の言葉で伝える力も、同様に必要であると思いました。

明確なビジョンを持つためには、おそらく、自分の専門分野内外に及ぶ、幅広い知識、それを手に入れるための情報収集力(アンテナを張っておくこと)、そして論文を正しく読み解く力(対象とする分野において影響力を持つ論文を見極める力、関心事や研究の方向性を見抜く力 ≒ 正しく引用する力?)を鍛えていかなくてはならないのだろうなと思います。

今回私はストーリー作りにとても苦戦しました。今後は、所属する分野における自分の研究の立ち位置(研究の需要、重要性、当該分野への寄与度)を、正しく理解した上で、聴衆の知識量や関心事に関するバラツキをうまく補うことのできるような発表を、できる限り自分の力できちんとできるように、精進していきたいですね。

 

2. 不得意だとしても、誠意を持って取り組めば、きちんと伝えられること

f:id:tkzwy:20170928200040j:plain
ドゥオーモとフィレンツェ市街地(ミケランジェロ広場から臨む)。絵画かな?

もし口頭発表に関して、苦手意識や不得意な部分を持っていたとしても、ひとつひとつの機会に誠意を持って向き合い、伝えるための努力を惜しまずに、きちんと備えることが、良い発表をするために重要なのではないかなと、実感しました。

例えば私は、英語での会話も、記憶することも苦手なので、英語でおこなう口頭発表(とその準備)は、いつも「できない自分」との戦いです。でも、たとえ苦手でも、格好良くできなくても、出来ないなら出来ないなりに、やれることが、実はたくさんあったりするのです。例えば

  • 要点を絞ったストーリーにする
  • 見やすいスライドづくりを心がける(レイアウト、配色など)
  • より理解しやすい図づくりを心がける
  • 原稿を見てしまったとしても、きちんと伝わるように読む

これらは、言語に不安があっても、記憶力がなくても、努力次第で向上させることができるはずです。こういう姿勢は、言語も国境も飛び越えて、よく相手に伝わります。そして聴衆側は、発表者にそういう姿勢を見いだせたりすると、聞く気になってくれたりする(ことが多い)のです。言い換えると、こちらが言いたいことを伝わりやすくする雰囲気を作れるかどうかは、自分の努力次第であるということになります。ちゃんとやれることをやっていれば、ホーム戦とまではいけなくても、完全アウェーの中での戦いにならずに済む、可能性が増えるのです。

所詮私程度のレベルの人間が何を偉そうなこと抜かしているのかと、お思いの方もたくさんいると思いますが。私自身の経験に基づいて言わせていただきますとね。もちろん現状での課題・改善すべき点はたくさんあるし、だからこそ「できない自分」は向き合えば向き合うほど悔しいし惨めな気持ちになったりするし、「プレッシャー」は辛すぎてつい目を背けたくなったりしてしまうけれど、そういうものから逃げずに正面から向き合って、できることをやりきって、どうにか発表を乗り越えた時の達成感は、今後の自分を支える「糧」になってくれる、はずだと思うんですよ。

少なくとも現時点では、そういう方針を貫いた今回の発表に対して後悔はしていないし、むしろ研究に向き合うときの今の気持ちは、発表前よりもポジティブだったりします。

だから、もし私と同じように、英語での口頭発表に不安を抱いている同志がいるとしたら、「うまくやること」ではなく「きちんと伝えること」に意識をおいて、騙されたと思ってやってみて欲しいと思うのです。お互いがんばろうぞ〜〜!

 

3. 評価に惑わされず、挑戦者であり続ける覚悟を持つこと

f:id:tkzwy:20170928201424j:plain
飛行機の窓から

今回の経験を踏まえて私は、これからは「常に挑戦者なんだ」という姿勢で、挑戦し続ける覚悟を持って、サイエンスや研究に向き合っていきたいなと思いました。

少々、自戒を込めた話になりますが、、、
私は、学部〜今に至るまで、プレゼン(※日本語)に関してだけは周囲の評価が高かったので、そこに関してはそれなりの自負を抱いて、ここまできてしまいました。ですが、今回の経験を通して「私には、能力も、経験も、周りの研究者たちに比べたら圧倒的に足りていない」というある意味当然の事実に気付かされてしまったのです。ある意味当然なのに、私の中では、そこそこ大きな衝撃となってしまったのです。

なぜ、衝撃を受けたか?

というと、要は、今まで私が、学生という立場で受けてきた「良いプレゼン」という評価を鵜呑みにして「今のままの力を維持すれば、それなりのものなら作れるはず(そして今後も同じようなものを作っていけば、評価されていくのだろう)」という、慢心や自惚れに、犯されてしまっていたからなのです。

このような傲慢な感情は、いとも簡単に「成長しよう」という向上心の足を引っ張ります。IMOGに参加していなかったら、ここをしっかりと認識できないまま卒業していたのかも知れない・・・と思うと、とても恐ろしいことだな、と、思いますね。

これからは「今のレベルやクオリティを維持しよう」というマインドではなく、自分が納得できる、自信を持って発信できるような、より良いモノを求め続ける、その為に挑戦し続けるという姿勢を失わない、そういう覚悟を持った研究者でありたいなと強く思います。もちろんそこにはものすごく大きなエネルギーが必要で、それを維持し続けることは、とてもとても大変なのだとは思うのですが、、、そのような姿勢こそが、人を成長させる大きな原動力になっているんじゃないかなと思います。

慢心や自惚れにうつつを抜かすことなく、妥協せず、謙虚な姿勢を持って、ひとつひとつの成長の機会を無駄にしないように、過ごしていきたいなと思います。できる限り。

 

全体の感想など〜発表は学会初日であって欲しい〜

もう大体の感想は上に書いてしまったのだけれど。今回の学会はほんとうにプレッシャーと様々なストレスで禿げるかと思いました。。。そんな荒れまくりの私に、いつも優しく接して下さった皆様、力強く励ましてくださった皆様、協力してくださった皆様には、感謝してもし尽くせません〜〜!ほんとうにありがとうございました!!!

国際学会前は大体ストレスで自律神経がおかしくなって満身創痍で挑むことが多いのですが、、、実際発表の方はどうだったかというと、なんと有り難いことに、とてもポジティブな反応を皆様からいただくことができたのでした!

内容がInteresingだったという評価も嬉しかったけれど、個人的には、某氏から頂戴した「一生懸命伝えようとしている姿勢は、しっかりと相手にも伝わるんですよ。だからこそ内容もしっかり伝わったのではないか」という言葉の方が、泣けました(泣いた)。もし、上の2で書いたように、伝えようとする姿勢が、内容を伝わりやすくするひとつの要因として機能しているとするならば、あの時きちんと準備しておいてよかったなと本当に思います。反省点もたくさんあるけれど、現時点でのベストは尽くせたんじゃないかなって。

f:id:tkzwy:20171002103400j:plain
会場までの道のり。庭が広い

いつも学会後は反省だけして終わることが多いのですが、今回に限っては、我ながらよく頑張ったと褒めてあげたいです。何故かって?だって、発表が学会最終日だったもんだから、多くの参加者が続々と任務を終えて、晴れ晴れとした顔で美味しいイタリアのワインとかカプレーゼとかパスタとかピッツァとか、ティラミスとかエスプレッソとかを堪能している中、私はほとんどをホテルにこもって発表練習して過ごしましたからね?????

誰だスケジュールを組んだ奴は!!!私は他の人の発表だってもっと集中して聞きたかったし、学会以外の空いた時間にはいろいろ食べ歩きたかったのに!← おかげで発表日までに食べたものの味は微塵も思い出せないし、誰と何を話したかなんてほとんど記憶に残ってないよ!涙 初めてのヨーロッパだったのに・・・

「いやいやお前の練習不足だろ」と言われてしまえばぐうの音も出ないし、返す言葉もないのですが、、、でもどうにかこうにか発表後は市街をお散歩することもできたし、美味しいごはんも食べることができた(ちゃんと味も覚えてる!)から、私はもうそれで十分だったりもするのです・・・記念になりそうなお土産も買えたし・・・!

f:id:tkzwy:20171001025007j:plain
ドゥオーモ。でかすぎてファインダーに収まりきらないし首が痛い。

f:id:tkzwy:20171002102915j:plain
発表後に行ったレストラン。ワインとポルチーニ茸のピッツァで生き返った。

f:id:tkzwy:20171001025210j:plain
カプレーゼ(神々しい)。美味しすぎて泣いた。

いつかその土地の食や風土や文化も楽しみながら学会に参加できる日が来ると良いな。仕事はもちろんしますけど、食文化くらい楽しんでもいいよね???でもそんな日が来るかどうかなんて、今は想像もできないな〜(遠い目)。来ると良いんですけど。未来の自分頑張れ。

 

おまけ〜修羅場が始まる〜

そんなわけでして、今年度に参加を予定していた学会について、全日程を完遂することができました〜!わーーーい!!!!

10月にもなったことだし、これからはひたすらD論書きまくりdaysが始まると思うのですが、当方は体調を崩さない程度に、よく寝て、よく食べて、よく考えて、頑張っていきたい所存です。ですが未だに時差ボケ?か自律神経?が整ってないので、早く体調を元に戻したいところです。銭湯にでも行ってこようかな?

みなさま、私が干からびそうになっていたら、どうか美味しいごはんと、美味しい酒を投与してあげてください(懇願)。

それでは〜!

 

ざわ