箸はともかく棒にはひっかかりたい

とある大学教員によるいろいろなメモ書き

鬼滅の刃にハマった話(記録)

 

まさか自分がハマるとは

鬼滅の刃」という作品がある、というのは知っていた。昨年のレコード大賞を受賞した楽曲はどうやらその映画作品の主題歌のようだったし、ここ数年LiSAさんという方がアニメの主題歌と思しきものを紅白歌合戦で歌唱しているのも知っていた。巷でかなり人気っぽいことも聞き及んでいた。

高校生の頃(およそ13年前)にオタク文化に入り浸っていた私だったが、その後アニメやマンガ作品に傾倒することはなかった。それは、直感として(あるいは願望として)当時好きだった作品*1を超えるようなものは、今後現れないだろうと思っていたのもあったし、この歳になって新しい文化や価値観を受け入れる精神的な余裕や体力が無いような気がしていたからである。

でも「余裕が無いから」なんていうことを理由に、諦めてしまうのはなんだかもったいない気がしたし、人はこうやって新しい価値観を受け入れられなくなって衰えていくのかな・・・と、ちょっと怖くなってしまったこともあったし、何よりも「ここまで世間で人気になっている理由」を知りたい気持ちがあり「少しずつアマプラで見てみるか〜」と思い立ったのが、2021年はじめのことだった。

 

そして、2021年1月21日現在。アニメは3周くらい視聴済で第二期を猛烈に切望しているし、映画は2週間に2回も見に行ったし、マンガは全巻(外伝を含む)、小説も3巻全て読破し、Youtubeなどで発信されている考察動画まで見ている。我ながらびっくりするハマり様である。勇気を出してよかった。素敵な作品を届けてくださり、吾峠先生ありがとうございますと伝えたい。

 

魅力的だなあと思うことメモ

作品の時代背景やメインとなるテーマが、現代の日本社会に通ずるのかという点に関しては、意見が分かれそうだな〜という気はしているけれど、私自身は作品に対してリアリティを求めていないし、評論家でもないから言及しない。

そんなことよりも、作り込まれた原作の設定の細かさや、物語が勧善懲悪に傾倒しすぎないところ、各々の正義、人間の強さや弱さ、複雑な感情の機微、登場人物たちの人間的成長が表現されているところが、読んでいてとても引き込まれた。おそらく、原作を読んだ人はみな、登場人物の誰かや、誰かの何かしらの発言や感情に、共感したり、感情移入したりするのではないだろうか。ネタバレになるからここでは言わないけれど、素敵なシーンや言葉がほんとうにたくさんあるんです。マンガを読んで涙が出たのは、初めてだった。

そしてアニメは、何といっても技のエフェクトがかっこいい。ufotableさん(アニメ製作会社)の気合いを感じさせられた。バトルシーンがこんなにも美しいアニメを私は見たことがなかったので、世のキッズ達が、登場人物に憧れ、彼らを真似て刀を振るいたくなるのも、よくわかった。それから、声優陣が軒並み豪華で、多分私と同世代の人々は、いろいろくすぐられるんじゃないかなあと思う。物語のはじめの方はそこそこ暗い・血生臭いシーンもあって、正直なところ「見続けようかどうか」を悩んだりもしたが、12話ぐらいから面白さが爆増するので、とりあえずそこまでは見て欲しいな・・・と思います。ちなみに17-20話ぐらいが激アツです。

劇場版は、アニメ第一期(全26話)の続きに位置づけられるのですが、アニメの更に上を行く美しさと迫力で、音楽も、台詞も、全てが良いです。生まれて初めて、映画館でボロ泣きするという経験をしました。ほんとに。マスクが涙でびしょびしょになりました。

 

好きだから好き、それが全て

もちろん好みがあると思うので無理にオススメするつもりはないのですが、もし「気になってはいるけど、見られていないなあ」という方がいたら、ぜひ勇気を出して、見てみてほしいなと思いました。私たちはもう大人ですが、大人になって酸いも甘いも経験したからこそ、沁みてくる話もあると私は感じました。

また、この歳になると、アニメや漫画の話で誰かと盛り上がれる機会というものがあまりなく、感動をなかなか共有できないという寂しさこそありますが・・・私は、私が抱いた「好き」という気持ちを大切にしたいし、堂々と胸を張って生きていたいし、この感情は私にとっては宝物なので、その記録を残しておこうと思って記事にしました。

以上!

 

*1:具体的には、DEATH NOTE魔人探偵脳噛ネウロである。テーマ設定がしっかりしてて、間延びしないスピード感のある作品が好きだった。