箸はともかく棒にはひっかかりたい

とある大学教員によるいろいろなメモ書き

第二の故郷

「第二の故郷」という言葉がある。

第一の故郷は、当然自分が生まれた故郷であると思う。

私にとっての第二の故郷は、言うまでもなく「日本の屋根」と呼ばれる日本アルプスのうち、北アルプスの山々を一望できる、ここ、長野県松本市です。

この松本市の、女鳥羽側を抱える扇状地の上方にひっそりと建っているのが、私の母校である「信州大学(松本キャンパス)」であります。昨年の3月に修了してから、今はもう在籍していないのですが、先日とても大切な用事があって、久々に松本に行ったのでした。

 

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私は松本の地でいろいろなことを経験して、たくさんのことを学びました。サークルや勉学、研究、アルバイト、などなど、決して要領の良い方ではなかったけれど、自分の持ち得るキャパシティの中で、やれることはやったしある程度は成長できているんじゃないかな?と思いたいです・・・(願望)。

でもその中では、とんでもない失敗もしたし、今思えば「あり得ないだろうが!!」っていうミスもたくさんしたし、自分の未熟さもかなり痛感しているし、想定外のイベント(※手術、入院ほか)なんかも発生するなどして、今まで本当にたくさんの人に迷惑をかけてしまいました。もうちょっと考えてたらもっとうまくやれたんじゃないかなあ、だなんて、未だに反省することも多い。

 

でも、そんな失敗だらけの学生生活だったけれど、良かったなあと思えることもたくさんありました。それは、何故かいつも私の周りに、魅力的で素敵な方々がたくさんいたということです。学内外関係なしに、所属や、年齢をも超えて、「また飲もうよ!」「ご飯行こう!」「会いに行きます!」って言える、誘ってくれる友達ができました。いろんな人々と出会って、たくさん話をする中で、自分の世界も広がっていくような気がしました。

私自身の長所とか、自慢できるところなんて「声がデカい!」とかしかないし、よくわからないんだれど、もし誰かに「あなたの長所は?」と聞かれることがあったら、「魅力的な人と出会える才能」と、答えると思います。今こうやって博士課程の学生としてやっていけているのも、理解のある方々に恵まれて、応援してもらえているから、手をさしのべてもらえたからであると、心底思います。

 

この3月で、今までお世話になっていた恩師が松本を去ることになりました。

そして、知り合いの多くも、同じように、松本から去ってしまうことがわかりました。

今まで私のことを見捨てずに、時には喝を入れ、時にはひっそりと成長を見守ってくれた方々、共にたくさんの経験をし、その思い出を共有してきた方々、それぞれが、この春から新たなスタートを切って、自分で選んだ道を突き進んでいくんだな!と思うと、本当に、心の底から応援したい気持ちでいっぱいです!!

だけどその一方で、みんなが松本から離れるのと同時に、一緒に過ごしてきた、経験させてもらってきた時間や、思い出までもが、はらはらと散って、どこかに吹き飛ばされていってしまいそうな気がして、すごく寂しい気持ちもになります。決してそんなことはないとわかっていても、なんだか胸がいっぱいになってしまいます。

 

けど私がここまでやってこられたのは、今もなおもがき続けていられるのは、大学生活の間に、たくさん笑って、たくさん泣いて、死ぬほど悩んで、いろんなことをめいっぱい楽しむことができたからこそで、その環境を手に入れることができたのは、その経験を積むことができたのは、他でもないこの信州松本の地に来られたからこそで。そして何よりも、一緒に経験を積んでくれるようなみなさんと出会えたおかげであると思っています。

 

今まで、本当に本当に、ありがとうございました。

みなさんと松本で過ごした日々は、かけがえのない宝物です。

 

私にとっての「第二の故郷」は「松本」、そして「松本で出会えた全ての人」です。

 

また新たな地でみなさんと再開して、昔のこと、今のこと、これからのこと、いろいろなお話ができる日を楽しみにしています。

 

それでは、また会う日まで!