箸はともかく棒にはひっかかりたい

とある大学教員によるいろいろなメモ書き

2022年度

新年度が始まり、周囲が慌ただしい。

そんな中私は、ひっそりと現職5年目を迎えた。学位を取った後、運良く仕事にありつけて、日常に追われているうちに、もう丸4年が経ってしまったのである。早すぎる。博士学生だった3年間*1は、歩みは遅くとも確実に「自分は成長できている」と実感できたけれど、特にこの2年くらいは、新型コロナウイルスの流行によって、やりたいようにやれず、積めたはずの経験を積むことができず、なんだか常に釈然としない気持ちにさせられていたように思う。この「失われた数年」に対して、いっそ誰かのせいにしてしまえたのなら楽だったのかもしれないが、そういうわけにもいかないし、それが自分の責任でもないのなら、もはや感情のやり場など存在しない。ただただ、今の状況を受け入れて、自分が少しでも健康に、できるだけご機嫌に過ごせるように工夫をしていくしかない。

予測(予定)できない未来のことは必要以上に考えないようになったし、過剰な期待もしなくなった。何か不和が起きても「まあ、そうだよね〜」で乗り切れるようになった。野心的な気持ちが減ってしまったような気もしないではないけど、これが穏やかに生きるための防衛本能なのかも知れない。

とはいえ、自分の好きなことにはきちんと心を燃やせる人間ではありたいな。じゃないと人としての面白みまでもがなくなってしまうだろうから。

 

そんなわけで、本年度もよろしくお願いします。

 

*1:いつの話してるんだよ、という気もしなくはないな。時が進むのは早い。